振り仮名試験
1. 平方根2が無理数であることの証明
定理\(\sqrt{2}\) は有理数ではない。
証明背理法による。\(\sqrt{2}\) が有理数であると仮定する。 すると、互いに素な整数\(a,b\)(\(b\neq 0\))が存在して
\[ \sqrt{2}=\frac{a}{b} \]
と表せる。両辺を二乗すると
\[ 2=\frac{a^{2}}{b^{2}}\quad\Rightarrow\quad 2b^{2}=a^{2}. \]
したがって \(a^{2}\) は \(2\) の倍数であるから、次の補題より \(a\) も \(2\) の倍数である。そこで \(a=2k\)(\(k\in\mathbb{Z}\))とおくと
\[ 2b^{2}=(2k)^{2}=4k^{2}\quad\Rightarrow\quad b^{2}=2k^{2}. \]
ゆえに \(b^{2}\) も \(2\) の倍数であり、同様にして \(b\) も \(2\) の倍数となる。これは \(a,b\) が互いに素であるという仮定に反する。ゆえに仮定は誤りであり、\(\sqrt{2}\) は有理数ではない。□
補題 整数\(x\) について、\(x^{2}\) が \(2\) の倍数ならば \(x\) も \(2\) の倍数である。
証明 背理法。\(x\) が奇数とすると \(x=2m+1\)(\(m\in\mathbb{Z}\))と書ける。このとき
\[ x^{2}=(2m+1)^{2}=4m(m+1)+1 \]
であり、右辺は奇数である。これは \(x^{2}\) が \(2\) の倍数であるという仮定に矛盾する。したがって \(x\) は偶数、すなわち \(2\) の倍数である。□
2. 素数の無限性
定理素数は無限に多く存在する。
証明背理法による。素数が有限個しか存在しないと仮定する。すべての素数を \(p_1, p_2, \ldots, p_n\) とする。
新しい数\(N = p_1 \cdot p_2 \cdot \ldots \cdot p_n + 1\) を考える。\(N > 1\) であるから、\(N\) は何らかの素数\(p\) で割り切れる。
もし \(p = p_i\)(\(i = 1, 2, \ldots, n\) のいずれか)ならば、\(p\) は \(p_1 \cdot p_2 \cdot \ldots \cdot p_n\) を割る。しかし \(p\) は \(N = p_1 \cdot p_2 \cdot \ldots \cdot p_n + 1\) も割るので、\(p\) は \(N - p_1 \cdot p_2 \cdot \ldots \cdot p_n = 1\) を割ることになる。これは矛盾。
したがって \(p\) は \(p_1, p_2, \ldots, p_n\) と異なる素数であり、仮定に反する。故に素数は無限に存在する。□
3. カントールの対角線論法
定理区間\([0,1]\) の実数は非可算無限である。
証明背理法による。\([0,1]\) の実数が可算無限であると仮定する。すなわち、列挙\(r_1, r_2, r_3, \ldots\) が存在して \([0,1]\) の全ての実数を含む。
各\(r_i\) を小数点以下の十進展開で表す: \[ r_i = 0.d_{i1}d_{i2}d_{i3}\ldots \] ここで \(d_{ij} \in \{0, 1, 2, \ldots, 9\}\)。
新しい実数\(x = 0.x_1x_2x_3\ldots\) を次のように構成する: \[ x_i = \begin{cases} 1 & \text{if } d_{ii} \neq 1 \\ 2 & \text{if } d_{ii} = 1 \end{cases} \]
構成により、任意の \(i\) に対して \(x_i \neq d_{ii}\) である。故に \(x \neq r_i\) (全ての \(i\) に対して)。
しかし \(x \in [0,1]\) であるから、仮定により何らかの \(r_j\) と等しいはず。これは矛盾。故に \([0,1]\) の実数は非可算無限である。□